「THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット・ピンパーネル)」特集!vol.2

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物語の時代背景は??

フランス革命は1789年から99年にかけて起きました。
王政を廃止して共和制が成立したあと、「恐怖政治」と呼ばれる風が吹き荒れます。
権力の座についた者が政敵を次々と処刑し、その中で無実の人々までが捕らえられ断頭台に送られるという血生臭い政治的混乱は、ナポレオンが政権を取るまで続きます。
このフランス革命に対して、イギリスの支配層である富裕な市民階級(ブルジョアジー)と貴族は当初は支持していたものの、ルイ14世やマリー・アントワネットが処刑され、恐怖政治のなかで貴族や穏健派に対する血の粛清が始まると、反革命の立場を取りました。
イギリスは他のヨーロッパ諸国と革命同盟を組み、フランスの革命政府と敵対する事になります。
それではなぜ、この時イギリスは反革命の立場を取ったのでしょうか。

イギリスは17世紀に清教徒革命と名誉革命を経験しています。
清教徒革命では、国王のチャールズ1世を処刑しているのですが、名誉革命ではジェームズ2世を追放し、オランダからオレンジ公ウィリアムを迎え入れるという、無血革命を成功させています。
このような歴史がイギリスにはあった為、初めはフランスにも名誉革命と同じような革命が起こったのだと考え、多くのイギリス人はフランス革命を支持していました。
ところが、ロベス・ピエール率いるジャコバン党が権力を握るようになります。
そして、1793年1月にルイ16世が処刑されると、イギリス政府はフランスに宣戦を布告します。
他のヨーロッパ諸国も次々と宣戦し、イギリスやオーストリアを中心とするヨーロッパ諸国とフランス革命政府との戦争が始まりました。
初めは無血革命だと思っていたのが、血の粛清だったのです。

イギリスでは、その当時既に立憲君主制というかたちで、国王を戴きながらも議会ではしっかりとした発言権を持っていました。
ところがフランスでは、聖職者・貴族・平民による議会(三部会)も開かれない状況が続いていました。
こうしたフランスの絶対王政下での政治状況を批判したのが、「法の精神」で有名なフランス人思想家モンテスキューです。
モンテスキューは、イギリスの政治体制を高く評価していました。
その為に、イギリスに比べるとフランスの政治改革は遅れていて、やがてはイギリスのような立憲君主制に移行すべきだという意識は、イギリス人も一部のフランス人も持っていました。
それだけにイギリス人はもちろんの事、フランスの貴族の中にも、革命を支持する人々がいたのです。

ところが、ロベス・ピエール率いるジャコバン党の行き過ぎた恐怖政治によって、事態は変わるのです。
ルイ16世やマリー・アントワネット、反革命派の処刑だけでなく、革命を支持していた貴族や穏健派の人々もどんどん捕らえられ、処刑されていきます。
革命政府は、外には諸外国との戦争を、内には政敵やスパイを抱えるといった状況でパニックに陥り、そこから粛清の悲劇へと追い詰められていったと言えます。

この様な背景があったからこそ、主人公のパーシー・ブレイクニーは、無実のフランス貴族を救い出そうとしたのでしょうね。

 

宝塚版とブロードウェイ版は同じ??

この宝塚版の「スカーレット・ピンパーネル」ですが、元々のブロードウェイ版とは違いがあるのです。

宝塚版では、パーシーがスカーレット・ピンパーネルである事が初めから明確である点です。
それによって、謎解きの部分がなくなる為、純粋に冒険活劇が楽しめますね。

年代設定も、1792年から1794年になっています。
1792年と言えば、ルイ16世とマリーアントワネットが幽閉されている時代になります。
1794年では、ルイ16世とマリーアントワネットが既に処刑されていて、革命も後半期に入っている時代です。
その為、原作の「紅はこべシリーズ」4作目の「エル・ドラド」に出てくる、王太子ルイ・シャルル救出の話を取り入れることで、フランス革命とパーシーの接点を重くする事が出来ています。
ロベスピエールも孤立していく独裁者として描いているので、ショーヴランの見え方もより歴史の中で揺らぐ人物になっています。

 

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4 thoughts on “「THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット・ピンパーネル)」特集!vol.2

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